恋の花火がきえる時。

第十四話

翌朝。

 私はいつものように、光輝の家の前で彼を待っていた。

 今日は私から迎えに行くと、昨日の夜に約束していたから。

 けれど、何分経っても光輝は出てこない。

「……まだ寝てるのかな」

 スマートフォンを見る。

 メッセージは届いていなかった。

 そのとき、玄関の扉が開いた。

 出てきたのは、光輝のお母さんだった。

「理紗ちゃん……」

 その顔を見た瞬間、胸がざわついた。

「光輝は?」

「今朝、病院へ運ばれたの」

「えっ……?」

 息が止まった。

「昨夜、急に具合が悪くなって……」

「大丈夫なんですか?」

「今、検査をしているところよ」

 大丈夫。

 その言葉を聞くまで、私は動けなかった。

「私も行きます」

「理紗ちゃん、学校は――」

「行きません」

 声が震えた。

「光輝のところに行きたいです」

 病院へ向かう車の中で、私は何度も光輝へ電話をかけた。

 けれど、つながらない。

 画面に表示される「呼び出し中」の文字が、ひどく遠く感じた。

 病院に着くと、光輝のお母さんは受付で手続きを始めた。
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