君のいない世界で恋はできない
「妹さん?ごめんなさいね、迷子になったのかと思って、目立つ所まで連れてきちゃったの」
「妹ではないんですけど…まあはい、ありがとうございました。様子見ていていただいて」
「いえいえー。では」
コーギーを連れた女性は去っていった。
初音は、コーギーが見えなくなるまで笑顔で手を振っていた。
「あのねぇ初音。俺から離れちゃダメ。分かった?帰るよ」
「うん…」
初音は少ししょんぼりしてしまった。
手を引いてバイク置き場に向かっていると。
「えっ?!和翔?偶然じゃん、やばー!」
前から歩いてきたのは、最近しつこく構ってくる幸崎と、そのご一行だった。
いかにもギャルな見た目がどうも受け付けない。
「え、親戚の小学生預かってるの?えらーい!」
「違うわ。1個年下の幼なじみ」
そう、幼なじみ。
自分で言って悲しくなった。
「幼なじみと手繋ぐの…?」
幸崎は怪訝そうな顔で聞いてきた。
「いや…勝手にウロウロされると困るから…」
「保護者じゃん!いやてか、もしかしてこの子障害者?障害者のおもりとか、可哀想なんだけど!あたしだったら、和翔のこと、世話焼きさせないで楽しませるのになー」