君のいない世界で恋はできない
幸崎にどう思われようが構わない。
初音のこと、侮辱したことには変わりない。
許すわけないだろ。
そこに、友人の金山がやってきた。
「今日、亀島ん家で勉強会やらん?こいつの部屋広いんよ。あ、幸崎も来る?」
「おいふざけ…」
「え!行く!!」
金山の鶴の一声で、俺含めて5人で、俺の部屋で勉強会をすることになってしまった。
わいわいやってお菓子なんかが出てきて、ほぼ勉強なんて進まずに、お開きになった。
「お邪魔しましたー!」
「はいはい、もう来ないでください」
「亀島冷たーい!」
玄関先で見送っていて、3人がエレベーターに乗る中、幸崎だけが乗らないでいる。
「ん?乗らんの?」
「和翔に用あるから、皆先に帰ってて!じゃあね、また明日!」
何だよ…用って…。
勘弁してくれよ…。
3人がいなくなると、幸崎は俺に抱きついてきた。
「おいやめろって」
「あたしじゃダメ…?」
「ダメ。俺の大事な人をバカにするような奴と付き合うわけないだろ。離せって…」
離してくれるはずもなく、なんならキスしようとしてくる。
そこにエレベーターがやってきた。
降りてきたのは、初音だった。
俺と思いきり目が合った。
どういう状況…?といった顔でこちらを眺めている。
理解したであろう初音は、ふっと真顔になって俺から目を逸らして、自分の家に歩いていった。
「初音…!」
俺の声は、届かなかった。