愛してるなんて、噓でしょう?
東條蓮 side
「若頭、お待たせしました」
車のドアが開く。
「ん。ありがとう」
俺は後部座席に乗り込み、窓の外へ目を向けた。
さっきまでいた小さなカフェ。
その店の中に、ずっと探していた女の子がいた。
水瀬美月。
十二年前。
俺がまだ何も知らなかった頃、あいつは俺に笑いかけてくれた。
誰も俺のことなんて見ていないと思っていた。
そんな俺に、あいつだけは何のためらいもなく声をかけてきた。
『お兄ちゃん、ひとりなの?』
あの日のことは、今でも覚えている。
小さな手。
無邪気な笑顔。
そして、別れ際にくれた小さな星のチャーム。
俺はポケットに手を入れた。
そこには、今も大切に持っている星のチャームがある。
「……やっと見つけた」
思わず、声が漏れた。
十二年。
長かった。
何度も諦めそうになった。
もう会えないんじゃないかと思ったこともある。
それでも、忘れられなかった。
今日、目の前にいた美月は、俺のことを覚えていなかった。
少しだけ寂しかった。
でも、それでいい。
今のあいつが幸せなら、それでいいと思っていた。
……本当は、そんな綺麗なことだけじゃないけど。
俺は小さく笑った。
「若頭?」
運転席から声がかかる。
「何?」
「この後、東條会の本部へ向かいますか?」
「ああ。頼む」
「承知しました」
窓の外へ視線を戻す。
雨はまだ止みそうにない。
美月。
今度こそ、君のそばにいたい。
昔みたいに、何もできない子供じゃない。
今の俺なら、君を守れる。
……そう思っていた。
「今度は、絶対に離さない」
静かな車内に、俺の声だけが落ちた。
「若頭、お待たせしました」
車のドアが開く。
「ん。ありがとう」
俺は後部座席に乗り込み、窓の外へ目を向けた。
さっきまでいた小さなカフェ。
その店の中に、ずっと探していた女の子がいた。
水瀬美月。
十二年前。
俺がまだ何も知らなかった頃、あいつは俺に笑いかけてくれた。
誰も俺のことなんて見ていないと思っていた。
そんな俺に、あいつだけは何のためらいもなく声をかけてきた。
『お兄ちゃん、ひとりなの?』
あの日のことは、今でも覚えている。
小さな手。
無邪気な笑顔。
そして、別れ際にくれた小さな星のチャーム。
俺はポケットに手を入れた。
そこには、今も大切に持っている星のチャームがある。
「……やっと見つけた」
思わず、声が漏れた。
十二年。
長かった。
何度も諦めそうになった。
もう会えないんじゃないかと思ったこともある。
それでも、忘れられなかった。
今日、目の前にいた美月は、俺のことを覚えていなかった。
少しだけ寂しかった。
でも、それでいい。
今のあいつが幸せなら、それでいいと思っていた。
……本当は、そんな綺麗なことだけじゃないけど。
俺は小さく笑った。
「若頭?」
運転席から声がかかる。
「何?」
「この後、東條会の本部へ向かいますか?」
「ああ。頼む」
「承知しました」
窓の外へ視線を戻す。
雨はまだ止みそうにない。
美月。
今度こそ、君のそばにいたい。
昔みたいに、何もできない子供じゃない。
今の俺なら、君を守れる。
……そう思っていた。
「今度は、絶対に離さない」
静かな車内に、俺の声だけが落ちた。