愛してるなんて、噓でしょう?
閉店後。

「美月ちゃん、今日もお疲れ様!」

「お疲れ様でした!」

店長に挨拶をして、私は店を出た。


外はまだ雨が降っている。


傘を開いて、駅へ向かおうとしたとき。


ふと、今日来た男性のことを思い出した。


名前も聞いていない。


どこに住んでいるのかも、何をしている人なのかも知らない。


それなのに、なぜか気になってしまう。

「また来るって言ってたし……」

もう一度会えるかな。


そんなことを考えている自分に気づいて、少し恥ずかしくなった。

「何考えてるんだろ、私」

小さく笑って、歩き出す。


雨の音だけが、静かな街に響いていた。

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