愛してるなんて、噓でしょう?

2話.優しい笑顔の裏側

水瀬美月 side

「美月ちゃん、今日なんだか機嫌いいね?」

「えっ? そ、そうですか?」

朝から店長にそう言われて、私は思わず首を傾げた。


機嫌がいい?

自分では、いつもと変わらないつもりだったんだけど。

「なんか、鼻歌歌ってたよ?」

「うそっ!」

「ふふ。何かいいことあった?」

「何もないですよ!」

そう答えながら、昨日のことを思い出してしまう。


黒い服を着た、あの男性。


優しい声に、柔らかい笑顔。


そして、帰り際の言葉。

『またね』

たったそれだけなのに。


どうしてこんなに覚えているんだろう。

「……変なの」

「ん? 何か言った?」

「なんでもないです!」

私は慌てて仕事に戻った。

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