愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side


「昔の話をしたんですか」

帰り道、悠真にそう聞かれた。

「少しだけね」

「十二年前のことは?」

「話してない」

悠真はため息をついた。

「いつまで隠すつもりだ」

「隠したいわけじゃない」

「結果は同じだろ」

俺は何も言わなかった。


美月ちゃんに話したい。


本当は、全部話してしまいたい。


あの日、何があったのか。


どうして離れ離れになったのか。


そして、どうして十二年もの間、彼女を探し続けていたのか。


けれど、すべてを話したとき、彼女がどんな顔をするのか。


それを考えると、言葉が出なくなる。

「蓮」

悠真が低い声で呼んだ。

「お前が守りたいものは、彼女の気持ちだろ」

「……分かってる」

「なら、彼女が知る権利まで奪うな」

その言葉は、静かに胸に刺さった。

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