愛してるなんて、噓でしょう?
28話.優しい人
美月 side
「水瀬さん、今日お昼一緒に食べない?」
昼休憩に入ろうとしたとき、湊さんに声をかけられた。
「いいんですか?」
「もちろん。俺も今からだから」
二人で店の近くにある小さな公園へ向かった。
ベンチに座り、お弁当を広げる。
「水瀬さんって、休日は何してるの?」
「本を読んだり、カフェに行ったりです」
「へえ。どんな本が好き?」
「恋愛小説も好きですし、ミステリーも読みます」
「意外。もっと静かな本ばかり読んでそう」
「どういう意味ですか?」
「なんとなく。落ち着いてるから」
湊さんは笑った。
「でも、そういうところも水瀬さんらしいね」
「私らしい、ですか?」
「うん」
何気ない会話が楽しかった。
蓮さんといるときとは、また違う安心感。
湊さんは私に気を遣わせない話し方をしてくれる。
その日の帰り際、彼は私に小さな紙袋を差し出した。
「これ、よかったら」
「何ですか?」
「この前、甘いものが好きって言ってたでしょ。近くのお店で買った焼き菓子」
「そんな、いただけません」
「余った分だから気にしないで」
「ありがとうございます」
紙袋を受け取ると、湊さんは嬉しそうに笑った。
「また感想聞かせて」
「はい」
その夜。
蓮さんと電話をしていると、今日の出来事を思い出した。
『今日は仕事どうだった?』
「楽しかったですよ。湊さんがお菓子をくれたんです」
電話の向こうが少し静かになる。
『湊さん?』
「同じ職場の白石さんです。この前紹介しましたよね」
『ああ、あの人』
「とても優しいんです」
『そう』
蓮さんの返事は短かった。
「蓮さん?」
『うん?』
「何かありました?」
『何もないよ。今日もお疲れさま』
いつもと同じ優しい声。
でも、どこか違う。
私はその違和感を、まだうまく言葉にできなかった。
「水瀬さん、今日お昼一緒に食べない?」
昼休憩に入ろうとしたとき、湊さんに声をかけられた。
「いいんですか?」
「もちろん。俺も今からだから」
二人で店の近くにある小さな公園へ向かった。
ベンチに座り、お弁当を広げる。
「水瀬さんって、休日は何してるの?」
「本を読んだり、カフェに行ったりです」
「へえ。どんな本が好き?」
「恋愛小説も好きですし、ミステリーも読みます」
「意外。もっと静かな本ばかり読んでそう」
「どういう意味ですか?」
「なんとなく。落ち着いてるから」
湊さんは笑った。
「でも、そういうところも水瀬さんらしいね」
「私らしい、ですか?」
「うん」
何気ない会話が楽しかった。
蓮さんといるときとは、また違う安心感。
湊さんは私に気を遣わせない話し方をしてくれる。
その日の帰り際、彼は私に小さな紙袋を差し出した。
「これ、よかったら」
「何ですか?」
「この前、甘いものが好きって言ってたでしょ。近くのお店で買った焼き菓子」
「そんな、いただけません」
「余った分だから気にしないで」
「ありがとうございます」
紙袋を受け取ると、湊さんは嬉しそうに笑った。
「また感想聞かせて」
「はい」
その夜。
蓮さんと電話をしていると、今日の出来事を思い出した。
『今日は仕事どうだった?』
「楽しかったですよ。湊さんがお菓子をくれたんです」
電話の向こうが少し静かになる。
『湊さん?』
「同じ職場の白石さんです。この前紹介しましたよね」
『ああ、あの人』
「とても優しいんです」
『そう』
蓮さんの返事は短かった。
「蓮さん?」
『うん?』
「何かありました?」
『何もないよ。今日もお疲れさま』
いつもと同じ優しい声。
でも、どこか違う。
私はその違和感を、まだうまく言葉にできなかった。