愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side
莉子から連絡があったのは、その日の夜だった。

『美月さんと話したわ』

「何を話した」

『十二年前のことを少しだけ』

俺は目を閉じた。

「余計なことを言っていないだろうな」

『余計なこと、ね』

莉子の声が少し冷たくなる。

『蓮。あなたが彼女を大切にしたいと思っているのは分かる。でも、いつまでも何も知らせないのは違うわ』

「分かっている」

『本当に?』

「……ああ」

『なら、ちゃんと話してあげて』

電話が切れたあと、俺はしばらく動けなかった。


美月はもう、過去に触れ始めている。


俺が隠してきたものに。


そして、いつか彼女は知ることになる。


俺がどれほど長い間、彼女を探していたのかも。


――守るために隠した秘密が、いつか大切な人を傷つける。


そんなことは、分かっていたはずなのに。

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