愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side
本当は、もっと話したい。


十二年前のことも。


俺がどんな気持ちで君を待っていたのかも。


けれど、今はまだ言えない。


美月はアルバムを見つめている。


その横顔を見ながら、俺は思った。


過去を知っても、彼女が俺の隣にいてくれるとは限らない。


それでも、彼女には知る権利がある。

「美月」

「なに?」

「いつか、全部話す」

彼女は静かに頷いた。

「待ってるね」

その言葉が、胸に深く響いた。


今度は、俺が逃げない番だ。


――二人が過ごした時間は、確かに存在していた。


けれど、写真に写っていない出来事こそが、二人を引き離した理由だった。

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