愛してるなんて、噓でしょう?

48話.あなたを守りたい

美月 side
最近、蓮の様子が少し違う。


以前よりも電話が増えたし、会う約束をしていても、急に予定が変わることがある。


忙しいのだろうと思っていた。


けれど、その日の夜。


蓮から届いたメッセージは、いつもと違っていた。

『今日は会えなくなった。ごめん』

『大丈夫だよ。お仕事?』

『ああ。少し確認しなければならないことがある』

『分かった。無理しないでね』

返信を送って、スマートフォンを置く。


会えないことが寂しくないわけではない。


でも、蓮にも大切な仕事がある。


そう思っていた。


翌日、カフェの仕事を終えて外に出ると、蓮が待っていた。

「蓮さん!」

「お疲れさま」

「昨日は大丈夫だった?」

「ああ。心配かけてごめん」

「ううん」

蓮は私の顔を見つめた。

「少し、話せる?」

「うん」

私たちは近くの公園へ向かった。


ベンチに並んで座る。

「実は、父から話を聞いた」

「十二年前のこと?」

「ああ。まだ分からないことも多いけど、君のお父さんが何かを隠していた可能性がある」

「それって、私にも関係するの?」

「直接、君が何かをしたわけじゃない。ただ、君のお父さんが持っていた情報が、今も残っているかもしれない」

私は少しだけ息を呑んだ。

「それを、蓮さんは探しているの?」

「そうだ」

「私のお父さんのことを知るために?」

「ああ」

蓮は私の手を握った。

「ただ、君を危険な目に遭わせるつもりはない」

「蓮さん」

「何?」

「私のことを守ろうとしてくれるのは嬉しい。でも、何も教えてもらえないままなのは嫌だよ」

蓮は黙って私を見た。

「私も知りたい。お父さんが何をしていたのか。どうしていなくなったのか」

「分かっている」

「それなら、私にも話して」

蓮は少しだけ視線を落とした。

「……そうだな。俺は、君を守ることばかり考えていた」

「うん」

「でも、それでは君の気持ちを置き去りにしてしまう」

私は小さく頷いた。

「一緒に考えたいの」

蓮は私の手を握り直した。

「分かった。これからは、できる限り共有する」

「約束だよ」

「ああ。約束する」

私は蓮の肩に寄りかかった。

「私も、蓮さんを守りたい」

「俺を?」

「うん。蓮さんだって、いつも一人で頑張っているから」

蓮は少し驚いたあと、優しく笑った。

「ありがとう」

その声が、いつもより柔らかく聞こえた。

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