愛してるなんて、噓でしょう?
53話.もう一度、初めまして
美月 side
蓮と初めて出会った日のことを、私はよく覚えている。
雨が降っていた。
カフェの窓際に座っていた、黒髪の男性。
優しく笑って、私の名前を聞いてくれた。
あの日の私は、彼が十二年前に出会った男の子だなんて知らなかった。
そして、蓮は私が覚えていないことを知っていた。
それでも、初めて会ったように接してくれた。
「蓮さん」
「ん?」
「私たち、もう一度初めましてをしていたんだね」
蓮は少し驚いたあと、笑った。
「そうだな」
「昔のことを忘れていたから、最初から始めてくれたの?」
「ああ。君が俺を知らないなら、もう一度知ってもらえばいいと思った」
「ずっと寂しくなかった?」
蓮は少しだけ考えた。
「寂しくなかったと言えば嘘になる」
「……うん」
「でも、君と再会できたから、それでよかった」
私は蓮の手を握った。
「私も、あの日に蓮さんと出会えてよかった」
「俺もだよ」
蓮は優しく笑った。
「美月。ひとつ聞いてもいい?」
「何?」
「もし、俺たちが昔会っていなかったとしても、君は俺を好きになってくれたと思う?」
私は少し驚いた。
そして、ゆっくり答えた。
「うん」
「本当に?」
「だって、蓮さんの優しいところも、少し不器用なところも、嫉妬深いところも、今の蓮さんを知って好きになったから」
蓮は少し困ったように笑った。
「嫉妬深いところまで言わなくてもいいだろ」
「本当のことだもん」
二人で笑う。
「昔の約束があったからじゃないよ」
私は彼を見つめた。
「今の蓮さんが好き」
蓮は私の手を持ち上げ、そっと額に寄せた。
「ありがとう」
その声は、少し震えていた。
「俺も、今の美月が好きだ」
昔の記憶が戻っても、私たちは昔に戻るわけじゃない。
もう一度出会って、もう一度好きになった。
それが、私たちの今だった。
蓮と初めて出会った日のことを、私はよく覚えている。
雨が降っていた。
カフェの窓際に座っていた、黒髪の男性。
優しく笑って、私の名前を聞いてくれた。
あの日の私は、彼が十二年前に出会った男の子だなんて知らなかった。
そして、蓮は私が覚えていないことを知っていた。
それでも、初めて会ったように接してくれた。
「蓮さん」
「ん?」
「私たち、もう一度初めましてをしていたんだね」
蓮は少し驚いたあと、笑った。
「そうだな」
「昔のことを忘れていたから、最初から始めてくれたの?」
「ああ。君が俺を知らないなら、もう一度知ってもらえばいいと思った」
「ずっと寂しくなかった?」
蓮は少しだけ考えた。
「寂しくなかったと言えば嘘になる」
「……うん」
「でも、君と再会できたから、それでよかった」
私は蓮の手を握った。
「私も、あの日に蓮さんと出会えてよかった」
「俺もだよ」
蓮は優しく笑った。
「美月。ひとつ聞いてもいい?」
「何?」
「もし、俺たちが昔会っていなかったとしても、君は俺を好きになってくれたと思う?」
私は少し驚いた。
そして、ゆっくり答えた。
「うん」
「本当に?」
「だって、蓮さんの優しいところも、少し不器用なところも、嫉妬深いところも、今の蓮さんを知って好きになったから」
蓮は少し困ったように笑った。
「嫉妬深いところまで言わなくてもいいだろ」
「本当のことだもん」
二人で笑う。
「昔の約束があったからじゃないよ」
私は彼を見つめた。
「今の蓮さんが好き」
蓮は私の手を持ち上げ、そっと額に寄せた。
「ありがとう」
その声は、少し震えていた。
「俺も、今の美月が好きだ」
昔の記憶が戻っても、私たちは昔に戻るわけじゃない。
もう一度出会って、もう一度好きになった。
それが、私たちの今だった。