愛してるなんて、噓でしょう?

54話.最後の秘密

蓮 side
その日の夜、悠真から連絡があった。

「蓮、少し時間をくれ」

「何だ」

「一条家の件で分かったことがある」

俺はすぐに場所を指定した。


指定された場所に着くと、悠真は資料を手に待っていた。

「これを見てくれ」

差し出された資料には、十二年前の記録がまとめられていた。

「一条家が、あの日の前後に何らかの連絡を受けていた形跡がある」

「誰からだ」

「そこまでは分からない。ただ、水瀬の父親が持っていた情報と関係している可能性が高い」

俺は資料を見つめた。

「莉子は?」

「本人も調べているらしい。だが、父親から詳しい話は聞かされていないようだ」

「そうか」

悠真は少し黙ってから、俺を見た。

「美月には話したのか」

「ああ。分かっていることは伝えた」

「ならいい」

「悠真」

「何だ」

「美月の父親が残した手紙について、何か分かったらすぐに教えてくれ」

「分かった」

悠真は資料をしまった。

「ただし、ひとつだけ言っておく」

「何だ」

「お前は美月に、過去を話すことを決めた。なら、都合の悪いことも隠すな」

「分かっている」

「本当に?」

「ああ」

悠真は少しだけ表情を和らげた。

「なら、もう俺から言うことはない」

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