愛してるなんて、噓でしょう?
水瀬美月 side


その夜。


私は家に帰ってから、今日のことを思い返していた。

「東條蓮さん、か……」

何度も名前を口にしてみる。


不思議。


名前を知っただけなのに、昨日より少し近くなれた気がする。


また会いたい。


そう思っている自分がいた。


そのとき、ふとスマートフォンが鳴った。


店長からのメッセージだった。

『美月ちゃん、今日の差し入れ、すごくおいしかったね! あの人にお礼を言っておいてね』

私は思わず笑った。

『はい! また来てくださったら伝えます!』

送信して、スマートフォンを置く。


明日も来てくれるかな。


そんな期待を胸に、私は目を閉じた。


まだ知らない。


東條蓮という男が、私の人生にどれほど深く関わっているのかを。

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