愛してるなんて、噓でしょう?
「どうしたの? こんなところで」

蓮さんが私の方へ歩いてくる。


いつもの優しい声。


でも、さっき見た姿が頭から離れない。

「あ、えっと……買い出しで」

「そうなんだ。重そうだね」

「大丈夫です」

蓮さんは私の持っていた紙袋を見た。

「持とうか?」

「いえ、本当に大丈夫です!」

「そっか」

いつもと同じ。


いつもどおり優しい。


なのに、私は少しだけ戸惑っていた。

「あの……蓮さん」

「ん?」

「さっきの人たちって……」

言いかけたところで、蓮さんの表情がわずかに変わった。

「見てた?」

「少しだけ……」

「そっか」

蓮さんは静かに息を吐いた。

「驚かせちゃったね」

「若頭って、どういうことなんですか?」

聞いてしまった。


蓮さんは私を見つめる。


いつもの笑顔ではなかった。

「俺の仕事に関係することだよ」

「普通の会社のお仕事じゃないんですか?」

「……うん」

短い返事。


私は胸の奥が少しざわつくのを感じた。

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