愛してるなんて、噓でしょう?
そのとき、後ろから男性の声がした。

「蓮さん、そろそろお時間です」

振り返ると、さっきの黒いスーツの男性が立っていた。


蓮さんは一度その人を見て、それから私に視線を戻した。

「美月ちゃん」

「はい……」

「今度、ちゃんと話すよ」

「……本当ですか?」

「うん。約束する」

その目は真剣だった。

「だから、今は少しだけ待っていてほしい」

私はすぐに答えられなかった。


知らないことがあるのは仕方ない。


でも、何も知らないまま仲良くなるのは、少し怖い。

「……分かりました」

そう答えると、蓮さんは少しだけ安心したように笑った。

「ありがとう」

そして、車へ向かって歩き出す。


その背中を見ながら、私は思った。


東條蓮さん。


あなたは、一体何者なんですか?

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