愛してるなんて、噓でしょう?
水瀬美月 side


家に帰って、私は濡れた髪をタオルで拭いた。


今日、蓮さんと話せてよかった。


まだ怖い気持ちがなくなったわけじゃない。


でも、もう少し知りたいと思えた。


東條蓮という人を。


そのとき、スマートフォンが震えた。


画面には蓮さんの名前。

『無事に帰れた?』

私はすぐに返信した。

『はい! 蓮さんも気をつけてくださいね』

少しして、またメッセージが届く。

『ありがとう。今日は会えて嬉しかった』

私は画面を見つめた。


そして、少し迷ってから文字を打つ。

『私も嬉しかったです。また会いたいです』

送信。


……送っちゃった。


恥ずかしくなって、スマートフォンを伏せる。


すると、すぐに通知音が鳴った。

『俺も。また会おうね、美月ちゃん』

私はスマートフォンを胸元に抱えるようにして、小さく笑った。


雨の日に出会った、少し不思議な男の人。


最初は、ただの気になるお客様だった。


でも今は。


また会いたいと思う、大切な人になり始めていた。

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