愛してるなんて、噓でしょう?

第二章 9話.突然のプレゼント

美月 side


蓮さんに「また会いたい」とメッセージを送った翌朝。


私はいつもより少しだけ軽い足取りで、カフェへ向かっていた。


昨日、蓮さんと一緒に歩いた帰り道。


雨の音に混じって聞こえた、優しい声。

『君と話している時間が好きなんだ』

思い出すだけで、胸の奥がくすぐったくなる。

「……何考えてるんだろ、私」

小さく呟いて、頬を両手で押さえた。


まさか、あんなに怖いと思っていた人のことを、こんなにも考えるようになるなんて。


自分でも不思議だった。

「美月ちゃん、おはよう!」

店長の声に、私は慌てて顔を上げる。

「おはようございます!」

「今日はなんだか機嫌がいいね?」

「えっ、そうですか?」

「うん。何かいいことあった?」

「な、何もないですよ!」

慌ててエプロンを身につける。


店長はそんな私を見て、楽しそうに笑った。

「ふふ。まあ、いいことがあるのはいいことだよ」

そう言って、カウンターの準備に戻っていく。


私は誤魔化すように、仕事を始めた。


けれど、頭の片隅にはずっと蓮さんがいた。

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