愛してるなんて、噓でしょう?
蓮 side


美月が帰ったあと。


部屋には俺と悠真だけが残った。

「なあ、蓮」

「何?」

「本気なんだな」

その言葉に、俺はすぐに答えた。

「ああ」

悠真は少し黙ってから、椅子に深く座り直した。

「十二年前のこと、まだ引きずってるのか?」

「引きずってるんじゃない」

俺は窓の外に目を向けた。

「忘れられないんだ」

あの日から、ずっと。


小さな手で星のチャームを渡してくれた女の子。


寂しそうに笑っていた俺に、何度も話しかけてくれた子。


あの子がいなければ、今の俺は違っていたかもしれない。

「でも、今は昔の美月を追いかけてるわけじゃない」

「どういうことだ?」

「今の美月が好きなんだ」

自分の言葉に、迷いはなかった。


悠真はしばらく俺を見ていたが、やがて小さく息を吐いた。

「なら、ちゃんと今のあいつを見てやれよ」

「分かってる」

「昔の約束を理由に、あいつの気持ちを決めつけるな」

その言葉に、俺は黙って頷いた。


分かっている。


美月の人生は、美月のものだ。


俺がどれだけ長い時間を想っていたとしても、それを理由に彼女を縛ることはできない。

「……ただ、失いたくないんだ」

「それは分かるよ」

悠真は珍しく、優しい声で答えた。

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