愛してるなんて、噓でしょう?

12話.知らない電話

美月 side


神崎悠真さんと会った日から、数日が経った。


あの日以来、蓮さんからの連絡は少し増えた気がする。

『今日は寒いから、暖かくしてね』

『ちゃんとご飯食べた?』

『今度、また会いたいな』

そんな何気ない言葉が、毎日の楽しみになっていた。

「美月ちゃん、最近スマホを見るのが楽しそうだね」

店長の言葉に、私は慌ててスマホを伏せる。

「そんなことないですよ」

「ふふ。そう?」

「本当です!」

店長は何も言わず、にこにこと笑っていた。


そんなとき、スマホが震えた。


蓮さんからのメッセージだと思って画面を見る。


けれど、そこに表示されていたのは知らない番号だった。

「……誰だろう」

電話に出ようか迷っていると、着信が止まった。


間違い電話かな。


そう思ってスマホを置いた、その直後。


また同じ番号から着信が入った。

「……もしもし?」

恐る恐る電話に出る。

『水瀬美月さんですか?』

女性の声だった。

「はい。そうですけど……」

『突然ごめんなさい。少し聞きたいことがあって』

「どちら様ですか?」

短い沈黙。


そして、女性は静かに尋ねた。

『あなた、東條蓮とはどこで知り合ったの?』

「……え?」

思わず言葉を失った。


どうして、この人が蓮さんの名前を知っているんだろう。

『答えてくれない?』

「あの……どちら様なんですか?」

『私は、蓮さんのことを昔から知っている人間よ』

その声には、どこか冷たい響きがあった。

『あなたが彼と親しくしていると聞いたの』

「それは……」

『気をつけたほうがいいわ』

「え?」

『彼の優しさを、全部信じないほうがいい』

その言葉を最後に、電話は切れた。


私はしばらくスマホを握ったまま動けなかった。


彼の優しさを、全部信じないほうがいい。


一体、どういう意味なんだろう。

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