愛してるなんて、噓でしょう?
莉子さんとの待ち合わせ場所は、駅近くの落ち着いた喫茶店だった。

先に来ていた莉子さんは、私を見ると静かに微笑んだ。

「来てくれてありがとう」

「いえ……お話って何でしょうか?」

「単刀直入に聞くわね」

莉子さんはカップを置いた。

「あなた、蓮さんとどこまで親しくなったの?」

「それは……」

「恋人なの?」

「まだ、そういう関係ではありません」

そう答えると、莉子さんは少しだけ目を伏せた。

「そう」

「どうして、そんなことを聞くんですか?」

「蓮さんのことが心配だからよ」

その言葉に、私は眉を寄せた。

「心配?」

「彼は優しいでしょう?」

「はい」

「誰にでも優しく見える。でも、本当はそうじゃない」

私は黙って彼女を見つめた。

「蓮さんは、一度大切だと思ったものを簡単には手放さない人なの」

「……どういう意味ですか?」

「あなたが思っている以上に、彼は強い執着を持つ人だということ」

その言葉に、胸が少しざわついた。


莉子さんは続ける。

「あなたが彼の隣にいることが、本当に幸せなのか。よく考えたほうがいいわ」

「それは、私が決めることです」

気づけば、そう答えていた。


莉子さんは一瞬だけ目を見開いた。


そして、小さく笑う。


「そうね。あなたの言う通りだわ」

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