学校一のおバカ男子は、IQ200の意地悪でした。
「はぁ……っはぁ、……っ



柊くんのいじわるっ……」





「そうやって息が上がって、顔が赤くなる。
今の紬の顔、俺以外に見せたらだめだよ?」




うぅ、本当に、彼はずるい人だ。
ギュッと握られた手のひらが、なによりも温かかった。









お花デートから戻った数日後の週末。
私たちは、実家の重厚なリビングにいた。
理由は、海外出張から一時帰国した私のお兄ちゃんが、「紬の恋人に、一度正式に挨拶がしたい」と言い出したからだ。





「初めまして、如月柊です。紬さんとお付き合いをさせていただいています」





仕立ての良いネクタイを締め、大企業の幹部としての品格を完全に纏った柊くんが、一点の曇りもない完璧なビジネススマイルで頭を下げた。





高校時代の、あの寝癖だらけの「おバカ枠」の姿は微塵もない。




「こちらこそ、初めまして。立花家の長男の創です。あの学校祭の時は、見事なシステム修復だったね。





君の噂は、ビジネスの世界でもよく耳にしているよ」




お兄ちゃんはいつもと変わらない、聖母のように穏やかで、完璧な微笑みを湛えて柊くんを見据えた。
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