崖っぷち魔術師は嘘をつく~一夜の過ちを犯した相手には、好きな人がいました~
そう語ると、シーグは悲しそうな顔をしつつもしっかりうなずいた。
「そうか。ミランダのご両親は、とてもいい方々だったんだな」
「ええ。シーグは……っと、ごめんなさい!」
「ううん、気にしないで」
つい人様の事情に首を突っ込むような発言をしてしまったので謝るが、シーグは穏やかに微笑んだ。
彼は、『宰相の遠縁』ということ以外何も教えてくれない。教えたくないそうだから聞かないように、と魔術師団長からも言われているのだ。
ミランダの失言もシーグはやんわりと流し、ミランダが用意した魔術書をぺらぺら捲った。
「ミランダの話を聞けて、よかったよ。……ねえ、これ、読んでみたいな。ちょっと難しそうだから、説明してほしいんだけど」
「あ、うん、もちろんよ!」
シーグはミランダよりよほど大人で、話題をそれとなく変えてくれた。
彼の正面に座っていたミランダは隣に移動して、難しい古代語で書かれた魔術書を一緒に読めるようにテーブルに置いた。
「これは、すごい速度で空を飛ぶときのポイントについて書かれているのよ」
「へえ……魔術師が空を飛ぶところは見たことがあるけど、ミランダも飛べるの?」
「ええ。……でも私はまだコントロール力がいまいちで、ちょっと気を抜いたら木の幹に正面激突してしまいそうなのよ。この前も、うっかり気を抜いてしまったからお城の池に落ちてしまって……」
「……ふふ」
「あっ、笑ったな! 読んであげないわよ!」
「ふふ、ごめん。もう笑わないから、読んでくれる?」
「仕方ないわねぇ」
ミランダは怒ったふりを一瞬で引っ込め、うねうねした古代語を読み上げ始めた。
……あまりにも集中して読んでいるので、彼女は隣にいるシーグが魔術書ではなく、自分のほうをじっと見つめていることには気づかなかった。
「そうか。ミランダのご両親は、とてもいい方々だったんだな」
「ええ。シーグは……っと、ごめんなさい!」
「ううん、気にしないで」
つい人様の事情に首を突っ込むような発言をしてしまったので謝るが、シーグは穏やかに微笑んだ。
彼は、『宰相の遠縁』ということ以外何も教えてくれない。教えたくないそうだから聞かないように、と魔術師団長からも言われているのだ。
ミランダの失言もシーグはやんわりと流し、ミランダが用意した魔術書をぺらぺら捲った。
「ミランダの話を聞けて、よかったよ。……ねえ、これ、読んでみたいな。ちょっと難しそうだから、説明してほしいんだけど」
「あ、うん、もちろんよ!」
シーグはミランダよりよほど大人で、話題をそれとなく変えてくれた。
彼の正面に座っていたミランダは隣に移動して、難しい古代語で書かれた魔術書を一緒に読めるようにテーブルに置いた。
「これは、すごい速度で空を飛ぶときのポイントについて書かれているのよ」
「へえ……魔術師が空を飛ぶところは見たことがあるけど、ミランダも飛べるの?」
「ええ。……でも私はまだコントロール力がいまいちで、ちょっと気を抜いたら木の幹に正面激突してしまいそうなのよ。この前も、うっかり気を抜いてしまったからお城の池に落ちてしまって……」
「……ふふ」
「あっ、笑ったな! 読んであげないわよ!」
「ふふ、ごめん。もう笑わないから、読んでくれる?」
「仕方ないわねぇ」
ミランダは怒ったふりを一瞬で引っ込め、うねうねした古代語を読み上げ始めた。
……あまりにも集中して読んでいるので、彼女は隣にいるシーグが魔術書ではなく、自分のほうをじっと見つめていることには気づかなかった。