崖っぷち魔術師は嘘をつく~一夜の過ちを犯した相手には、好きな人がいました~
なんとなく言葉数が少ないまま食事が進み、食後のお茶が運ばれる。今日もミランダのほうは特製のお茶で、シリルのほうは普通のミルクティーだ。
「……あの、シリル様。私に何かできることはありませんか?」
メイドたちも出ていき、二人きりの部屋でミランダは思い切って尋ねた。先ほど黙って食事している間に考えていたことなのだが、うとうとしながらミルクティーを飲んでいたシリルが片眉を上げた。
「君に? いいや、君はセドリックをよく育ててくれている。僕からそれ以上君に頼むことはないよ」
「そんなの、母として当然のことです。それだけじゃなくて……もっと、シリル様の役に立てることはないのですか?」
ミランダは、少し身を乗り出した。
産後すぐは魔術を使うのもしんどかったが、今は問題なく使えていた。
光や水の魔法でセドリックと一緒に遊び、洗濯物が風で飛んで行ってしまって困っているメイドのために、空を飛んで洗濯物を捕まえる。
レベッカには「そういうのは私がしますよ!」と怒られるが、魔術師として生きるミランダにとっては、自分の中に巡る魔力を放てないのは欲求不満状態だった。いずれ、セドリックを抱っこして空の旅もしてみたいと考えている。
「今はもう、安定して魔術も使えます。だから、今シリル様がお仕事でされていることの補助も……」
「ない、なにもないよ」
意気込んで提案したが、帰ってきたのは思いのほか冷たい言葉だった。
目を伏せたシリルを見て、ミランダは自分の失言に気づいた。
(私、シリル様のお仕事に口出しをしてしまった……)
それはきっと、ミランダの想像以上に大きな地雷だったのだろう。シリルはむっつりと黙り込み、ミルクティーのカップを下ろした。
「……あの、シリル様。私に何かできることはありませんか?」
メイドたちも出ていき、二人きりの部屋でミランダは思い切って尋ねた。先ほど黙って食事している間に考えていたことなのだが、うとうとしながらミルクティーを飲んでいたシリルが片眉を上げた。
「君に? いいや、君はセドリックをよく育ててくれている。僕からそれ以上君に頼むことはないよ」
「そんなの、母として当然のことです。それだけじゃなくて……もっと、シリル様の役に立てることはないのですか?」
ミランダは、少し身を乗り出した。
産後すぐは魔術を使うのもしんどかったが、今は問題なく使えていた。
光や水の魔法でセドリックと一緒に遊び、洗濯物が風で飛んで行ってしまって困っているメイドのために、空を飛んで洗濯物を捕まえる。
レベッカには「そういうのは私がしますよ!」と怒られるが、魔術師として生きるミランダにとっては、自分の中に巡る魔力を放てないのは欲求不満状態だった。いずれ、セドリックを抱っこして空の旅もしてみたいと考えている。
「今はもう、安定して魔術も使えます。だから、今シリル様がお仕事でされていることの補助も……」
「ない、なにもないよ」
意気込んで提案したが、帰ってきたのは思いのほか冷たい言葉だった。
目を伏せたシリルを見て、ミランダは自分の失言に気づいた。
(私、シリル様のお仕事に口出しをしてしまった……)
それはきっと、ミランダの想像以上に大きな地雷だったのだろう。シリルはむっつりと黙り込み、ミルクティーのカップを下ろした。