崖っぷち魔術師は嘘をつく~一夜の過ちを犯した相手には、好きな人がいました~
空の旅は、セドリックとミランダの体調を鑑みて小休憩を挟んだ。
女王は早馬を飛ばして各地の宿泊所に連絡を入れており、ミランダたちが降り立つと「お待ちしておりました」と、喜んで部屋を貸してくれた。
そこでセドリックに乳をやったり皆で食事をしたりするので少し時間はかかったが、おかげで安全でセドリックがぐずることもない快適な空の旅になり、その日の夕方には懐かしいアルベック城の姿が見えてきた。
(帰ってきたわ……)
アルベック城にもぎりぎりのタイミングで、先触れが届いていたようだ。
城下街には既に大勢の人々が集まっていて、「おかえりなさい!」と歓声が上がった。
かつてのアルベック城はぼろぼろに朽ちた見捨てられた砦だったが、王国の庇護を受けた今は建物の補修作業などが進み、人口も増えているようだ。
地面に降り立ったミランダたちを迎えてくれたのは、城に残っていた魔術師や兵士たち。彼らはレベッカら戦友ともハグをして、そしてセドリックを見て嬉しそうな悲鳴を上げた。
「ああ、あんなにお小さかったセドリック様が!」
「セドリック様、会いたかったわ!」
「お部屋も準備しています。さあ、中へどうぞ!」
「ありがとう、皆」
ミランダは微笑み、城下街の人々の歓声の中城に入った。
そこでも使用人たちが笑顔で迎えてくれたし、駆け寄ってきたふっくらとした女性は涙を流してきた。
アルベック城にいる間に乳母を務めてくれた彼女は、ミランダたちが旅立ってからは自分の家に帰っていた。
だが久しぶりにミランダとセドリックが帰ってくるということで急いで駆けつけてくれたそうだ。
「セドリック様! ああ……こんなに大きくなられて……」
「来てくれてありがとう。しばらくここに滞在する予定だから、その間セドリックのことは頼みました」
「ええ、ええ、もちろんですとも! ありがとうございます、ミランダ様……!」
乳母は涙を流しながらセドリックを受け取った。そして「こんなに重くなって……」と泣き笑いを浮かべてから、恭しい所作で子ども部屋に連れて行ってくれた。
アルベック城に帰った初日は、小さなお祭りのようになった。
ミランダたちのために料理人が腕をふるい、ご馳走を作ってくれた。しかも、せっかくの仲間たちの再会なのだからとかつて共に王国軍と戦った魔術師や兵士たちが皆集められ、和気藹々のパーティーになった。
元魔道学院の生徒たちは嬉しそうな顔で、アルベック城で魔術師として働く日々について報告してくれる。
また兵士の中には、かつて家に帰りたいと泣いていた少年もいた。彼は無事に怪我も治り、故郷の家族に手紙を送った上でアルベック城勤務になることを選んだそうだ。
「これもミランダ様のおかげです」とはにかんで笑う彼にはもう、王国軍に敗れて絶望し泣いていた頃の面影は、全く残っていなかった。
女王は早馬を飛ばして各地の宿泊所に連絡を入れており、ミランダたちが降り立つと「お待ちしておりました」と、喜んで部屋を貸してくれた。
そこでセドリックに乳をやったり皆で食事をしたりするので少し時間はかかったが、おかげで安全でセドリックがぐずることもない快適な空の旅になり、その日の夕方には懐かしいアルベック城の姿が見えてきた。
(帰ってきたわ……)
アルベック城にもぎりぎりのタイミングで、先触れが届いていたようだ。
城下街には既に大勢の人々が集まっていて、「おかえりなさい!」と歓声が上がった。
かつてのアルベック城はぼろぼろに朽ちた見捨てられた砦だったが、王国の庇護を受けた今は建物の補修作業などが進み、人口も増えているようだ。
地面に降り立ったミランダたちを迎えてくれたのは、城に残っていた魔術師や兵士たち。彼らはレベッカら戦友ともハグをして、そしてセドリックを見て嬉しそうな悲鳴を上げた。
「ああ、あんなにお小さかったセドリック様が!」
「セドリック様、会いたかったわ!」
「お部屋も準備しています。さあ、中へどうぞ!」
「ありがとう、皆」
ミランダは微笑み、城下街の人々の歓声の中城に入った。
そこでも使用人たちが笑顔で迎えてくれたし、駆け寄ってきたふっくらとした女性は涙を流してきた。
アルベック城にいる間に乳母を務めてくれた彼女は、ミランダたちが旅立ってからは自分の家に帰っていた。
だが久しぶりにミランダとセドリックが帰ってくるということで急いで駆けつけてくれたそうだ。
「セドリック様! ああ……こんなに大きくなられて……」
「来てくれてありがとう。しばらくここに滞在する予定だから、その間セドリックのことは頼みました」
「ええ、ええ、もちろんですとも! ありがとうございます、ミランダ様……!」
乳母は涙を流しながらセドリックを受け取った。そして「こんなに重くなって……」と泣き笑いを浮かべてから、恭しい所作で子ども部屋に連れて行ってくれた。
アルベック城に帰った初日は、小さなお祭りのようになった。
ミランダたちのために料理人が腕をふるい、ご馳走を作ってくれた。しかも、せっかくの仲間たちの再会なのだからとかつて共に王国軍と戦った魔術師や兵士たちが皆集められ、和気藹々のパーティーになった。
元魔道学院の生徒たちは嬉しそうな顔で、アルベック城で魔術師として働く日々について報告してくれる。
また兵士の中には、かつて家に帰りたいと泣いていた少年もいた。彼は無事に怪我も治り、故郷の家族に手紙を送った上でアルベック城勤務になることを選んだそうだ。
「これもミランダ様のおかげです」とはにかんで笑う彼にはもう、王国軍に敗れて絶望し泣いていた頃の面影は、全く残っていなかった。