ほな、温泉行こか?
「……はぁ?」

泉は悠の顔をまじまじと見つめた。

「悠、あんた、お金持ってきてへんの?」

「い、いや、持ってきたんですけど……」

「足りひんの?」

「……はい」

(あかん! めっちゃ情けない!)

泉は大きなため息をついた。

「ほんま、しゃあない子やなぁ」

そう言いながら、財布を取り出した。

「で、なんぼ足りひんの?」

悠は係員から伝票を受け取り、泉に見せた。

「……これだけです」

「結構な金額やなぁ」

「す、すみません! 必ず返します!」

「分かった、分かった」

泉は不足分を支払った。

「ほな、帰ろか」

(……俺、何しに温泉来たんやろ)

悠は肩を落としながら、泉の後ろをついていった。

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