ほな、温泉行こか?
「大将! ただいまぁ!」

泉はいつものおでん屋の暖簾をくぐった。

「おお、泉ちゃん! 悠くんも一緒かいな!」

「せやねん! 温泉行ってきたんよ!」

「ほう! そらよかったなぁ」

二人はいつものカウンター席に腰を下ろした。

「大将! とりあえず生一つ!」

「はいよ! 悠くんは?」

「俺はウーロン茶でお願いします」

(帰りも運転せなあかんしな……)

「ほんで、温泉はどうやったん?」

「めっちゃよかったで! ご飯も豪華やったし!」

泉は嬉しそうに旅館の話を始めた。

悠は隣で苦笑いを浮かべていた。

(そら、泉さんは満喫したやろなぁ……)

やがて、二人はおでんを食べ終えた。

「ほな、大将、お勘定!」

悠は財布を開き、固まった。

(……あかん)

(また、足りへんやんけ!)

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