ほな、温泉行こか?
「……泉さん」

「ん? どないしたん?」

「その……もうちょっと、お金貸してもらえませんか?」

泉はビールのジョッキを置いた。

「……悠」

「は、はい!」

「あんた、今日何回目や?」

「……二回目です」

(あかん! 情けなさすぎる!)

泉は呆れたように笑い、財布を取り出した。

「ほんま、世話の焼ける子やなぁ」

「す、すみません! 絶対返します!」

「分かっとるって」

泉は大将にお金を渡した。

そのとき、泉のスマートフォンが震えた。

画面を確認した泉は、少し笑みを浮かべすっと立ち上がった。

「ほな、ウチ帰るわ。迎えが来たみたいやし」

「えっ? 迎え?」

「うん。悠、今日はありがとな!」

泉は笑顔で手を振り、店を出ていった。

悠は慌てて窓の外に目を向けた。

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