きみが窓を見なくなるまで
扉が開いたのは、返却された本を三冊、順番に並べたときだった。

顔を上げて、少し驚く。

高木くんが立っていた。

制服のネクタイを緩め、片方の肩だけに鞄を掛けている。

教室から歩いてきただけなのに、知らない場所で同級生を見かけたような気がした。

目が合うかと思って、背筋が伸びる。

けれど彼は、カウンターの横にいた先生のほうを見た。

「ここ、何時までですか」

「五時まで。足はどう?」

「普通に歩くのは、もう大丈夫です」

彼が右足へちらりと目を落とす。

私も、つられて足元を見た。

立っている姿からは、特に何もわからなかった。
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