きみが窓を見なくなるまで
先生が会議へ呼ばれ、図書室には私と数人の生徒が残った。

「閉館の前には戻るね」

そう言われて、頷く。

扉が閉まると、部屋の音が一つ減った。

私はカウンターで、本のカバーの折れを直した。

透明なフィルムの端を、爪で押しすぎないように伸ばす。

なかなか戻らない。

少し角度を変えて、もう一度。

ようやく平らになったところで、息を吐いた。

顔を上げると、高木くんが窓を見ていた。

その横顔に、さっきまでなかった柔らかさがある。

私は手元の本を置いた。

外では、テニス部が練習を続けていた。
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