きみが窓を見なくなるまで
私は本を開いた。

ページの上で、目だけが先へ進んでいく。

内容が入ってこない。

栞を挟んで、一度閉じた。

読めないときに読んでも、同じところへ戻るだけだ。

私はカウンターの引き出しを確かめた。

ペンは三本。
クリップは小さな箱の中。
貸出カードは、端を揃えてある。

何も、することがなかった。

そのことが、今日は少し困った。

時計を見る。

みなみが来るまで、まだ時間がある。

来たら、何を話そう。

そう考えると、少しだけ落ち着いた。
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