きみが窓を見なくなるまで
四時四十分を過ぎたころ、廊下から足音がした。

扉が静かに開く。

みなみだった。

制服に着替え、テニスバッグを肩へ掛けている。

私を見つけると、声を出さずに小さく手を振った。

私は思わず笑った。

彼女も、図書室では静かにするらしい。

当たり前なのに、教室とは違う動きがおかしかった。

みなみはカウンターへ近づき、小さな声で言う。

「まだ大丈夫?」

「うん。あと少し」

「よかった。早すぎたかなって」

「大丈夫」

私が椅子を勧めようとしたとき、彼女の視線が窓際へ向いた。

「あれ」

その声に、高木くんが顔を上げた。
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