きみが窓を見なくなるまで
先生が戻ってきて、閉館の準備が始まった。

みなみは邪魔にならないよう、バッグを持って立ち上がる。

私は机を一つずつ確認した。

忘れ物。
消しゴムのかす。
椅子の向き。

窓際へ行くと、高木くんは本を閉じたところだった。

「もう片づける?」

「うん」

彼は鞄を持ち上げ、椅子を机へ戻した。

窓の向こうが、さっきより暗い。

テニスコートには、もう誰もいなかった。

ネットの近くに、白いボールが一つ残っている。

私はそれを見つけて、みなみに言おうか迷った。

でも、先生の呼ぶ声がして、顔を戻した。
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