きみが窓を見なくなるまで
カウンターへ戻ると、みなみが鍵の束を見ていた。

「いっぱいあるね」

「棚の鍵も一緒だから」

「どれがどれかわかる?」

「札ついてるよ」

「ほんとだ」

みなみが小さな札を覗き込む。

私は笑いながら、当番ノートを先生へ渡した。

高木くんが、出入口で鞄を掛け直している。

みなみがそちらを向いた。

「足、お大事にね」

「うん」

「復帰したら、また体育館うるさくなりそう」

「俺、そんな声出してないけど」

「周りが」

高木くんが少し笑った。

みなみも、当然のように笑い返した。

私は文庫本を、鞄の奥へ入れた。
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