きみが窓を見なくなるまで
放課後、図書室へ入ると、高木くんの姿はなかった。

窓際の席を見る。

机の上には、何もない。

私はカウンターへ鞄を置き、当番ノートを開いた。

今日は来ないのかもしれない。

そのほうが、落ち着いて本を読める気がした。

返却本を整理する。
貸出カードを揃える。
先生から頼まれた紙を、掲示板へ貼る。

全部終えて、椅子へ座った。

扉が開くたび、顔を上げる。

三度目に、高木くんが入ってきた。

「お疲れ」

そう言われて、私はいつもどおり返した。

さっきまで何度も入口を見ていたことは、知られずに済んだ。
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