きみが窓を見なくなるまで
見すぎている。

そう気づいたのに、すぐには目をそらせなかった。

高木くんの横顔を、こんなに細かく知ろうとしている。

紙の上へ置かれた指まで。

私は本を持ち直した。

表紙が小さく鳴る。

音が大きく聞こえて、慌てて手を止めた。

窓際で、高木くんが顔を上げる。

私は下を向こうとした。

でも、彼の視線は窓のほうへ行った。

気づかれていない。

そう思って、息を吐きかけた。

ガラスの向こうは、昼間よりずっと暗い。

高木くんは、そのまま動かなくなった。
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