きみが窓を見なくなるまで
彼の指が、本の端から離れた。

少しだけ、顎が上がる。

私はまだ、顔を下げられずにいた。

高木くんの耳が、赤い。

最初は、夕方の光だと思った。

でも、窓から差し込む光は、もう弱い。

耳の上から頬の横へ、ゆっくり色が広がっていくように見えた。

胸が、強く鳴った。

外で、何かあったのだろうか。

誰かがこちらを見たとか。

手を振ったとか。

そう考えたとき、高木くんがこちらへ顔を向けた。

まっすぐに。

私のいるカウンターへ。
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