きみが窓を見なくなるまで
目が、合った。

彼の動きが止まる。

私も、本を持ったまま動けなかった。

いつもの、挨拶を交わす目の合い方ではない。

先に気づいたほうが、軽く頷く。

そんな短い間ではなかった。

高木くんの頬が、赤い。

私も、たぶん赤い。

わかっているのに、手で隠すこともできなかった。

彼の口が、わずかに開く。

何か言うのかと思った。

けれど、声は聞こえない。

私の指先が、表紙の上で滑った。

本が傾く。

それでようやく、目を下げられた。
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