きみが窓を見なくなるまで
何分くらいたったのだろう。

時計を見ようとして、ようやく顔を上げた。

高木くんは本を読んでいた。

さっきより少し低く、頭を下げている。

片手が口元にあった。

その手の向こうの表情は、見えない。

私はすぐに時計へ視線を移した。

四時二十分。

まだ、そんなにたっていない。

胸の音だけが、先へ進んでいた。

目が合った。

それだけなら、今までにもあった。

でも、今日は。

私は冷たくなった指先を、頬へ一度当てた。

まだ、熱かった。
< 153 / 385 >

この作品をシェア

pagetop