きみが窓を見なくなるまで
黄色い本へ栞を挟んだとき、椅子の動く音がした。

高木くんが立ち上がる。

私は反射的に、手元の本を閉じた。

彼がカウンターへ来る。

一歩ずつ近づく間、私は貸出の機械を確かめるふりをした。

高木くんは本を机へ置いた。

「これ、借りたい」

「……うん」

図書カードを受け取る。

指が触れないように、端を持った。

必要以上に気をつけたせいで、カードが少し斜めになる。

私は持ち直し、読み取った。

電子音が鳴る。

いつもなら、そのあとすぐ返却日を伝えられるのに。

今日は画面を、一度読み直した。
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