きみが窓を見なくなるまで
高木くんが帰ったあと、私はようやく本を開き直した。

栞を挟んだ場所は、猫がまた窓から入ってくる場面だった。

何の用事もない顔で、同じ家へ戻ってくる。

私はその一文を読み、少しだけ笑った。

読み終わったら、また聞かせて。

その約束が、もう一つ増えた。

彼と話すために、本を読むわけではない。

でも、読んだあとに話せる人がいると、気になるところを覚えておきたくなる。

私は次のページを開いた。

さっきより、少しだけ文字が頭へ入ってきた。
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