きみが窓を見なくなるまで
閉館後、廊下へ出ると、外はもう暗くなりかけていた。

渡り廊下の窓に、照明の白い線が映っている。

私は鞄を肩へ掛け直した。

今日のことを、誰かに話せる気がしなかった。

目が合った。
高木くんが赤くなっていた。
私も、顔が熱かった。

言葉にすると、それだけになる。

でも、私にはそれだけではなかった。

あの数秒の間、自分の顔がどう見えていたのか。
彼が何を言いかけたのか。

知りたいことばかり、あとから出てくる。

階段へ向かいながら、私は一度振り返った。

図書室の扉は、もう閉まっていた。
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