きみが窓を見なくなるまで
ノートを閉じようとして、窓の外を見た。

向かいの家の屋根は、暗くて輪郭しかわからない。

私は頬杖をついた。

高木くんは、みなみが好きなのかもしれない。

その考えは、まだなくならなかった。

それでも、今日、こちらを向いたときの顔を思い出す。

驚いたように止まった目。

言葉が出ないまま、わずかに開いた口元。

私だけが、変になっていたわけではない気がした。

そう思いたかっただけなのかもしれない。

私はノートへ視線を戻した。

二つの文の下に、小さく書き足す。

明日、ちゃんと顔を見て話したい。

書いてから、少し困った。

明日の自分に、難しいことを頼んでしまった。
< 163 / 385 >

この作品をシェア

pagetop