きみが窓を見なくなるまで
ボールを受け取ろうとすると、高木くんが言った。

「さっきの、腕だけで上げようとしてた?」

私は自分の腕を見る。

「……たぶん」

「足、止まってたから」

責める言い方ではなかった。

見えたことを、そのまま教えてくれる声だった。

「腕、固めたまま膝伸ばすといいと思う」

私は少し膝を曲げた。

さっき、みなみにも言われたことだ。

「上げなきゃって思うと、忘れる」

「わかる」

高木くんは頷いた。

「一個ずつでいいんじゃない」

ボールを両手で持ち直す。

私は小さく頷いた。

「……やってみる」

彼は少しだけ笑った。

「うん」
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