きみが窓を見なくなるまで
みなみのところへ戻ると、彼女が私の顔を見た。

「何教わった?」

「膝」

「そこ、大事」

「うん。忘れてた」

みなみはボールを受け取り、少し離れた。

「じゃ、もう一回」

投げられたボールを見る。

手を重ねる。
腕を伸ばす。
膝を曲げる。

今度は、伸ばす。

腕に当たったボールが、前へ上がった。

みなみが一歩も動かずに受け止める。

「今の!」

声が明るくなる。

私は自分の腕を見た。

できた。

本当に一回だけだったけれど、できたことはわかった。

思わず、みなみと笑い合った。
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