きみが窓を見なくなるまで
陸くんがコートへ戻り、もう一度投げる。

ボールはリングの内側へ落ちた。

「入った」

みなみが隣で言う。

私も頷いた。

陸くんは高木くんへ手を上げる。

彼は軽く返しただけで、またコートを見た。

大きく喜ぶわけではない。

でも、視線がさっきより近かった。

ボールを持った人。
その前にいる人。
空いている場所。

一つずつ確かめるように、目が動く。

私は、自分の水筒を膝へ置いた。

バスケをしている高木くんを、私はまだ見たことがなかった。

見ているだけの今でさえ、知らない顔をしていた。
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