きみが窓を見なくなるまで
「あれ、高木先輩じゃない?」

入口の近くで、女子の声がした。

私は何となく、そちらを見た。

一年生らしい二人が、体育館を覗いている。

「ほんとだ」

「今日、いるんだ」

二人は少し声を落とした。

でも、目線は同じところに向いていた。

高木くんは気づいていない。

隣のみなみは、水筒の蓋を閉めながら言った。

「見られてるね」

私は彼女を見る。

「……知ってる子?」

「たぶん。バスケ部、試合のとき見に来る子いるから」

「そうなんだ」

声が、自分でも少し平らに聞こえた。
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