きみが窓を見なくなるまで
一人が、友達の袖を引く。

何か言って、二人で笑う。

誰かを見るときの、ああいう顔を知っている。

私は水筒を鞄へしまった。

図書室では、高木くんを知っている人があまりいない。

彼は窓際で本を読み、私はカウンターにいる。

近づく人も、声をかける人も少ない。

だから、忘れていたのかもしれない。

私が知らなかっただけで、彼を見ている人はいた。

教室の外にも。

私より前から。

「もう少しやる?」

みなみに聞かれ、私は頷いた。

立ち上がると、腕の赤いところが少し痛んだ。
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