きみが窓を見なくなるまで
「続いたとき、楽しかった」

言うと、高木くんの目元が少し緩んだ。

「うん」

「上手くできたの、ほんとにちょっとだけだけど」

「見てた」

私は顔を上げた。

彼は普通に言った。

特別な意味のない返事なのかもしれない。

でも、私がボールを追っていたところを。

失敗して、もう一度腕を出したところを。

見ていた。

「……ありがとう」

何に対するお礼なのか、自分でも少し曖昧だった。

高木くんは返事の代わりに、わずかに頷いた。

その向こうから、みなみが戻ってくる。

私は彼女へ顔を向けるまでに、少しだけ時間が掛かった。
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