きみが窓を見なくなるまで
閉館前、髪をほどいた。

結び目のところへ指を入れると、少し引っ張られていた頭が軽くなる。

ゴムを外し、手首へ通した。

高木くんが、鞄を持ってカウンターへ来る。

「じゃ、また」

「うん。また明日」

彼は一度、私の下ろした髪を見た。

何か言うのかと思ったけれど、そのまま軽く手を上げて出ていった。

私は扉を見送った。

窓際の席が空いている。

昼間、彼を見ていた一年生の顔を思い出した。

あのとき、胸が少し重くなった理由も。

試合を見たいと言って、返事を待つ間、怖かった理由も。

もう、わからないふりをするのは難しかった。

かっこいいと思うだけなら、きっと、こんなに返事を気にしない。

私は手首のゴムを指で回した。

高木くんが好きなのだと思った。

そう認めた途端、明日も会えることが、うれしくて。

みなみのことが、少しだけ苦しくなった。
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